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カート

カートが空です

LEATHER COLUMN

そのベルト、育てていますか。

買ったときが、一番の完成形ではない。
本革は、使うほどに表情を変えていく。

同じ色で買ったはずなのに、なぜ表情が変わるのか。

本革のベルトを長く使っている人は、こんな経験があるかもしれません。買ったときは明るい色だったのに、気づけば深みのある色に変わっている。表面に艶が出て、店頭にあった頃とは違う顔つきになっている。

これは劣化ではなく「経年変化」と呼ばれる、本革ならではの現象です。素材によって、その変化のスピードや出方は大きく異なります。

まずは、代表的な革の種類から見ていきましょう。

3つの革を知る

フルグレイン・オイルドレザー・コードバン、育ち方はそれぞれ違う。

フルグレインレザー

革の表面(銀面)をそのまま活かした、最も原皮に近い状態の革です。表面に傷や血筋などの個体差が残るぶん、使い込むほどに独特の艶とムラが出やすいのが特徴です。経年変化を楽しみたい方に向いています。

オイルドレザー

なめしの工程でたっぷりと油分を含ませた革です。もともと油分が多いため、使用や摩擦によって油が浮き出し、深い艶が生まれやすくなっています。色の変化が比較的早く出やすい素材です。

コードバン

馬の臀部にあるコードバン層からごく少量しか取れない希少な革です。緻密な繊維構造を持ち、磨くほどにガラスのような光沢が出ることで知られています。他の革とは異なる硬さと張りも特徴です。

色が変わる、艶が出る。革の中で起きていること。

革の経年変化には、主に2つの要因が関係しています。

1. 油分の移動と酸化
なめしの過程で革に含まれた油分は、使用中の摩擦や体温によって少しずつ表面へと移動します。表面に出た油分が空気に触れて酸化することで、独特の深い色味や艶が生まれます。

2. 繊維の圧縮による光沢
革を繰り返し触ったり、擦ったりすることで表面の繊維が押し固められ、光の反射が均一になります。これが「使い込むほど艶が出る」と言われる理由です。コードバンのようにもともと繊維が緻密な革は、この効果が特に出やすいと言われています。

つまり経年変化とは、油分の移動と繊維の変化が組み合わさって起きる、革ならではの自然な反応なのです。

同じ革でも、手入れ次第で"育ち方"が変わる。

経年変化は自然な現象ですが、進み方は日々の扱い方によっても変わります。乾燥した状態が続くと表面がひび割れやすくなるため、適度な油分補給が必要とされています。また、使用後に風通しの良い場所で休ませることで、革内部の水分バランスが整いやすくなるとも言われています。手をかけた分だけ、革の表情も変わっていきます。

今日のひと巻きが、10年後の艶になる。

フルグレイン、オイルドレザー、コードバン。それぞれの革には、それぞれの育ち方があります。どれが優れているということではなく、自分がどんな変化を楽しみたいかで選ぶものです。

ベルトを選ぶとき、色やデザインだけでなく、使う革にも少し目を向けてみてください。数年後、その一本はきっと今とは違う表情を見せてくれるはずです。

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